肯定への道程

今は作りたいものはないが
何か作らないとと思ってしまっている
自分の存在価値を,そこに見出しているのだろう

何も生み出せなければ存在しないも同然
そんな価値観が苦しみだけを生む


毎日が楽しくないわけではないが
もっと楽しく生きねばと思ってしまっている
絵にも描けない餅を,なんとなくの空想で追い続ける

人生楽しまなきゃという
しょうもない雑念が目を曇らせる


何もしたくないのであるが
何かしなきゃと思ってしまっている
無限の時の流れを,ただ眺め続けるということができない

有限の時間が素通りして行くことに
焦燥に駆られて安い手を打つ


なんなんだこの半生と思うのだけど
まぁなんとなく悪くないと思ってしまっている
謳歌することも,精進することもしない

ダメでダメじゃないという戯言に
いつ何時いかなる瞬間の肯定を託す